創立50周年式典式辞
本日、ここに宮﨑政久防衛副大臣をはじめ多数のご来賓のご臨席をたまわり、公益社団法人自衛隊家族会創立50周年式典を挙行できますことは、私ども自衛隊家族会会員一同にとりまして、誠に光栄であり、厚く御礼申し上げます。
自衛隊に対する国民の理解が必ずしも十分でなかった自衛隊創設当初に「隊員の心の支えになりたい」との思いから隊員のご家族が自然発生的に立ち上げた市町村父兄会は、やがて全国組織の法人となり、創立40周年を迎えた平成29年から名称を「自衛隊家族会」に変更して、広く国民の防衛意識の普及高揚に務めるとともに、自衛隊に対する協力・支援等を通じ、わが国の安全保障・防衛基盤の確立に寄与することを目的に活動して参りました。
この間のご来賓各位はもとより防衛省・自衛隊、関連諸団体等の関係各位からたまわりました多大なご支援・ご協力並びにご指導に対し厚く御礼申し上げます。また、全国各地で積極的に活動され本会の発展に尽力された全会員に対し深甚なる敬意を表するものであります。
さて、戦後最も厳しく複雑といわれるわが国を取り巻く安全保障環境の下、防衛省・自衛隊が国内外で大いに活躍し、わが国の安全保障政策の大きな柱として広く国民の支持を得ていることは頼もしい限りであり、また、当会の創設当初に思いをはせれば感慨深いものがあります。
また、令和4年に策定された国家防衛戦略、防衛整備計画において、防衛力の抜本的強化と一体と考えられる人的基盤強化の施策として家族支援が位置付けられ、その拡充のために連携すべき関係団体として自衛隊家族会が考えられておりますのも、大変光栄なことであります。
平成4年にカンボジアに国際平和協力業務として施設大隊と停戦監視員を派遣してから15年後の平成19年、陸上幕僚監部に家族支援班が編成され、隊員の海外派遣や国内の災害派遣の際の家族支援業務が制度化されました。
もちろん、それ以前に何も配慮がなかった訳ではなく、隊員家族に対する派遣先の情勢や任務の説明、隊員と家族との通信連絡手段の確保、留守家族の相談受け等々、各部隊・駐屯地から中央に至るさまざまな段階で、家族に対する支援を行いました。
そのような流れの中で、当会は、慰問品の贈呈などを含め、全国各地で多くの派遣隊員を激励してまいりました。そのような活動の中で、例えば派遣に反対を唱える集団を避けて駐屯地正門以外の経路から出発せざるを得なかった隊員を見送り、「応援団がここにいる」と、隊員とその家族を勇気づけたこともありました。
自衛隊家族会は、平成23年の東日本大震災で、多くの隊員が家族の被災状況を確認できぬままに災害派遣活動に従事したことを重く受け止め、隊員に代わって家族の安否を確認し、隊員が心配なく任務にまい進できる環境を整えようとの考えから、他の関係諸団体と共に、家族支援協力を事業の一つに掲げ、逐次、陸・海・空自衛隊と実施に係る協定を締結し、昨年3月には防衛大臣、隊友会との3者で省統一の協定を締結しております。
その際、当時の中谷防衛大臣からは「隊員家族はわが国防衛の最大の理解者であり、防衛力を発揮していく上で極めて重要な存在」とのお言葉をいただき、小泉進次郎防衛大臣は着任の訓示で「隊員家族はわが国の防衛を支える大切な一員である」と示され、今年の新年を迎えるにあたっての隊員へのメッセージをはじめ防衛大学校卒業式でも「崇高な国防の使命を持つ隊員とその御家族は、国の宝であり、誇り」と強調されました。
自衛隊家族会は、その成り立ち故に「隊員を支える」との意識が強く、定款に記された「会の目的」に身内であり当事者である「家族」の言葉はありませんでした。
しかし、創立50年を迎え、家族がわが国の防衛を支える重要な存在としての位置付けをいただき、隊員が安心して任務にまい進できる基盤となる家族への協力を、晴れて定款の目的に「隊員の家族に対する協力」と加えることにより示し、家族の存在を防衛力につなげてゆく重要な役割を担う決意を新たにしたことを報告いたします。
家族に対する協力に不可欠な隊員家族に係る情報の共有については、数年前から各地の県家族会と自衛隊地方協力本部との間で協定が交わされて参りましたが、今般、より良い形で基準となる協定の形が示され、早速それに基づいた協定が東京地方協力本部と東京都家族会との間で締結されました。
これが全国に波及し、家族支援の拡充に大きな力となると確信しております。
また、小泉大臣のご認識を踏まえ、隊員の家族のための今後の施策についての考えを、先週、隊友会岩﨑理事長と共に、小泉大臣にお伝えしました。真に隊員家族を支えるためには、隊員の家族のために活動する主体の充実が必要であると強く感じています。このため、防衛省・自衛隊において、隊員の家族を支えるための組織を充実強化し、そして、自衛隊家族会や隊友会をこれまで以上に取り込んでいただきたいという考えをお伝えさせていただきました。
今後も、小泉大臣のリーダーシップの下、家族支援施策がより一層充実することを期待し、自衛隊家族会としても、防衛省・自衛隊が行う家族支援の一翼を担えるよう一層連携していきたいと考えています。
さらに、自衛隊家族会は、家族支援協力のほか、防衛講演会、北方領土返還要求署名活動への協力、防衛情報紙「おやばと」の発行によるさらなる防衛意識の普及高揚、隊員の募集・援護協力等についても引き続き取り組んで行くとともに、時代の変化に負けぬように成長し続ける所存であります。
また、本式典で後ほど披露いたしますが、50周年を記念して、会員から歌詞を募集し、作曲を陸上自衛隊中央音楽隊にお願いした「自衛隊家族会の歌」が完成いたしました。
この「自衛隊家族会の歌」の下に力を合わせ、隊員の最も身近な存在、隊員と家族のかけ橋として活動して参ります。
本日ご臨席いただきました宮﨑防衛副大臣をはじめご来賓各位に重ねて御礼を申し上げ、今後とも変わらぬご指導・ご鞭撻をたまわりますようお願い申し上げて式辞といたします。
令和8年6月16日
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