令和2年 年頭挨拶 



伊藤 康成 会長
 
ボランテイアの心意気で活動を

 「令和」初めての新年を迎えました。
 全国の本紙読者の皆様、国内はもとより海外各地で任務に精励する自衛隊員諸官そして本会会員の皆様、明けましておめでとうございます。
 初詣をされた方々は、ご自身のお願いと共に、新しい年が平和で災害のない穏やかな年であることをお祈りされたことでしょう。特に、何事か起これば真っ先に駆け付けなければならない自衛隊員のご家族には、国の平安を願うお気持ちは切なるものとお察しします。皆様と共に本会も令和2年の平穏を祈ります。

 自衛隊の活躍
 昨年も台風や豚コレラ等の被害に対処する災害派遣が多数ありました。また、尖閣諸島は自国の領土とする中国の度重なる領海侵犯・接近に対処する海上保安庁の船舶に情報支援をする海上自衛隊、領空近くに接近する中国機、ロシア機に今年度上半期だけで470回ものスクランブルで対処した航空自衛隊も緊張の日々だったことでしょう。
 遠くアフリカのジブチを根拠地としてアデン湾で海賊対処に当たる海自の護衛艦・哨戒機と、これを支援する空自の輸送機、ジプチで警備等の任務に当たる陸自は、列国から感謝と称賛を受ける大活躍です。改めて隊員のご尽力に敬意を表します。
 また今年は、東京オリンピック・パラリンピックの年です。出場選手には自衛隊員も予想されます。一人でも多くの隊員が日本代表となって活躍するようみんなで応援しましょう。

 軍事情勢
 本年は、韓国では国会議員選挙、米国では大統領選挙があり、英国は昨年末の総選挙で圧倒的な勝利を収めた保守党政権の下で、EUからの脱退が現実になりそうです。 北東アジアでは、北朝鮮が昨年末にまたもや核ミサイル開発を再開しようと得意の瀬戸際外交を繰り広げています。韓国は北朝鮮の非核化よりも、両国の融和に重点を置いた政策を取っているように見えます。昨年秋の日韓GSOMIA(日韓秘密軍事情報保護協定)の廃棄こそ期限切れ直前に留まりましたが、この地域の安全保障をこれまでと同じように共有できるのか疑わざるを得ないような事態になっています。
 我が国は日米韓3国の結束による北朝鮮の核廃棄、半島の平和維持を基本政策としていますが、日韓間のいわゆる徴用工問題に端を発した問題は、我が国としても譲れない状況が続いています。
 米国のトランプ大統領は北の金正恩委員長との話し合いによる解決に自信を持っていると言われてきましたが北の挑発が激しくなってきています。
 「自国第一」を掲げるトランプ大統領とGDP世界第2位となった中国とは、太平洋の覇権争いや既存のルールを自国有利に変えさせようともくろむ中国の下、第2次大戦終了後70年以上続いた国連その他の安全保障体制が変化する兆しと見る向きもあります。
 我が国の安全保障戦略と昨年度から実施されている防衛力整備は、陸海空の枠を離れた宇宙、サイバー空間及び電磁波領域の新たな対処方針を打出しています。これらの着実な実施と従来からの課題である長距離ミサイル対処なども急がれるところです。

 憲法改正
 安倍首相は、在任中の憲法改正に意欲を燃やしています。昭和21年11月3日に公布され翌年5月3日に施行された日本国憲法は、以来70年以上改正されたことはありません。
 与党と一部の野党ではさまざまな項目が挙げられていますが、本会としてはやはり憲法第9条に係る議論がどうなっていくのか最大の関心事です。 自衛隊は憲法第9条違反という学説は、憲法学者の過半数以上と言われています。本会会員の家族が勤務する自衛隊が憲法違反と言われ続けることには、釈然としない方々が多いでしょう。本会としても、総会等においてこの問題にどう取り組むか、意見集約を図っていくべき時期と思います。

 今年の家族会
 新年度の予算案には従来の陸海空の枠組みを超えた新たな組織・装備・編成のための施策がいくつも挙げられています。 これらを真に活用できるようにするのは自衛隊員ですが、少子高齢化の時代に、隊員の募集は困難を極めています。昨年度の事業計画で重点施策とした募集協力は、今年も続けていかねばなりません。
 現職の自衛隊員がますます忙しくなっている現状では、募集に当たる隊員の増加は望むべくも無いと思います。我ら家族会会員は自衛隊を支えるべく、ボランテイアの心意気でこの1年も募集に協力していきましょう。
 また、大災害などの場合の家族支援協力は、これまでの会員各位のご努力により、全国的に基礎的な態勢が整備されてきました。今後は更なる深化を遂げるようお願いします。
 更に今年は、新たに隊員家族の悩み等、相談窓口の設置を検討することとしています。
 このほか、北方領土返還要求署名活動等の国民運動も続けていきます。
 会員同士のネットワークのもと、楽しく無理のないボランテイア活動をお願いして年頭のご挨拶と致します。

 学 歴

  昭和44年3月

    早稲田大学第1法学部卒業


 経 歴

  昭和44年

    防衛庁入庁
    (長官官房総務課)

  平成 8年 7月

    防衛施設庁総務部長

  平成10年11月

    内閣官房
    内閣安全保障・危機管理室長

  平成13年 1月

    防衛施設庁長官

  平成14年 1月

    防衛事務次官

  平成16年 1月

    三井住友海上火災保険㈱顧問

  平成30年 1月

    三井住友海上火災保険(株)退職